「今日、お風呂入れたよ」
「オムツも替えたし、けっこう育児やってる方じゃない?」
少し前まで、こんな風に“頑張ってるアピール”をしていた自分がいる。
自分なりに手伝ってるつもりだったし、それなりに自信もあった。
でも、ある日ふと妻に言われた。
「うん、ありがとう。でもそれって“育児やってるつもり”になってない?」
その一言にドキッとした。
パパ、それ…“育児やってるつもり”になってない?(ママ目線)
オムツ替えた、ミルク作った、それで満足してた
正直に言うと、俺は「育児してる俺、えらいでしょ?」くらいの気持ちでいた。
仕事で疲れてる中でも、子どもをお風呂に入れて、オムツ替えて、寝かしつけもする。
これだけやれば、十分に育児参加してるって思ってた。
でも、ある日曜日。
妻が体調を崩して、1日まるごと俺が子どもを見ることになった。
その日の夜、俺は完全にぐったりしていた。
寝かしつけた後、洗濯物をたたみながら妻の偉大さを痛感した。
「……これ、毎日やってたの?」って思わず聞いてしまったくらい。
見えてなかった“育児の裏側”

やってみて初めてわかったことがある。
それは、俺が今まで見えてなかった“育児の裏側”が山ほどあるってこと。
- 離乳食のメニューを考える
- 子どもが風邪ひいた時の病院手配
- 服のサイズが合わなくなった時の買い替え
- 保育園の連絡帳を書く
- おむつの残量確認・買い出し
- 子どもの成長に合わせた生活リズムの調整
どれも「地味だけど大事なこと」ばかり。
しかも、これらは“やっても気づかれないこと”が多い。
オムツを替えるのは「やった感」があるけど、
「オムツを買いに行っておく」って、意外と誰も褒めてくれない。
それを、妻は黙って毎日やってくれていた。
「ありがとう」を伝えたくなった日
その日から、少しだけ見方が変わった。
今まで「俺だって育児してる」って思ってたけど、
本当は「ちょっと手伝ってただけ」だったんだと気づいた。
もちろん、育児は夫婦で協力するものだし、
どっちかが全部背負うのはおかしいと思う。
でも、それでも今まで妻に甘えていた部分は確実にあった。
だから、素直に言った。
「いつもありがとう。俺、全然わかってなかったわ」
妻はちょっと驚いた顔をして、それから笑った。
その笑顔が、なんかすごく嬉しかった。
見える育児と、見えない育児

育児には「見える部分」と「見えない部分」がある。
- 見える育児:オムツ替え、お風呂、寝かしつけ、遊び相手
- 見えない育児:子どもの予定管理、持ち物準備、成長に合わせた買い物、保育園とのやりとり、家事との両立
俺がやっていたのは、ほとんどが“見える育児”だった。
そして、「やった感」があるから満足してしまっていた。
でも、家の中が整っていて、子どもが快適に過ごせているのは、
見えないところで妻が動いてくれているおかげだった。
育児タスク、可視化してみた
ある日、妻と一緒に「育児タスクを全部書き出してみよう」という話になった。
やってみると、びっくりするくらい細かいタスクが多かった。
- 食事:献立を考える/買い物/調理/後片付け
- 衣類:サイズチェック/衣替え/洗濯/収納
- 健康:体調管理/病院予約/薬の管理
- 学び・遊び:絵本選び/おもちゃの整理/外遊びの計画
- 生活全般:スケジュール管理/保育園準備/連絡帳/送迎
これを見て、俺は「これは1人じゃ無理だわ…」と思った。
むしろ、今までこれを一人で回していた妻がすごすぎる。
そしてようやく、「“やってるつもり”だった自分」に気づいた。
少しずつ、“チーム育児”に
反省したからといって、いきなり全部をこなすのは正直難しい。
でも、まずは「気づくこと」から始めようと思った。
たとえば――
- 子どもの服がサイズアウトしていないか気にする
- 保育園の持ち物チェックを自分からやる
- ミルクやおむつの在庫を確認して買い出しする
- 妻の負担が大きそうなときは、何ができるか考える
これだけでも、妻の反応は明らかに変わった。
「ありがとう」「助かった」の言葉が増えたし、
以前よりも笑顔が増えた気がする。
育児って、やっぱり一緒がいい

俺が「やってるつもり」から抜け出せたのは、
妻が正直に気持ちを伝えてくれたからだと思う。
そして、俺自身も「もっと知りたい」「ちゃんと関わりたい」と思えたから。
育児は、ママだけが頑張るものじゃない。
パパが本気で向き合えば、もっと楽しいし、もっと家族になれる。
まだまだ未熟だけど、
「今日も育児、頑張ったね」って夫婦で笑い合える日が、増えてきた気がする。
最後に:昔の俺へ
もし過去の俺にひとこと言えるなら、こう言いたい。
「“やってるつもり”で満足してると、もったいないぞ」って。
子どもとの時間、家族との関係、妻との絆。
本気で向き合えば、それだけで変わってくる。
これからも完璧にはなれないけど、
“育児を一緒に楽しめるパパ”を目指して、まだまだ成長していきたい。